2012年に本社所在地の山形県新庄市の分譲地で、自社で更地から
企画、設計、施工まで一貫して住宅2棟を建てるプロジェクトを
行いました。
このプロジェクトは、特定の建主さんのご要望を聞きながら作るいわゆる
「注文住宅」ではなく、これまで当社に依頼して頂いた建主様の声、ご要望、
そしてそれに対して応えてきた自社のスタッフの声を盛り込んで作った
提案型の住宅だと考えています。
新庄の注文住宅の仕事に関わってみると、やはり雪との関わりが切り離せないことが
打合せの最中でも感じられます。作り手としても同郷人としても、いかに雪の中で
生活を楽しめる家をつくれるか考え、創意工夫していくことに気合が入ります。
雪が落ちるスペースの確保、絶対的な動線(玄関等の建物へのアクセス)への雪の落下防止、除雪道具の出し入れ、冬季の物干しスペース等、議論にあらゆる雪との関わり方の重要性が含まれます。
今回の2棟もそのような要素をクリアできるように計画しつつ、全く異なるプランを2タイプ考えました。
1棟は、ゆったり過ごせるリビングに吹抜けがあり、2階のホール、主寝室から1階を覗き込めるようになっており、建物一体が繋がる感覚を楽しむことができます。



もう1棟は、浴室、洗面が2階にあり、1階にゲストが来た場合でも2階のシャワー、入浴、洗濯等の私的な場所のプライバシーが保たれます。注文住宅でもこういったタイプのご要望も少し出てきました。



※生活をイメージしやすいように、収納の中の衣類等の配置は新庄市のLITTLE SPACE CORNER様に
ご提供頂きました。
内覧会によりたくさんの方に体感して頂いた上で、2棟とも地元のお客様に住んで頂くことになりました。実際体感して気に入って頂いた場所に住んで頂いていること、地域の方にもたくさん見て頂けたこと、自社のオリジナルの家を追及できたことが何よりも良かったと思います。今後も、地域の人の声、専門家の知恵、人の手間が活きる余地を見つけ、良き住処をつくることに携わっていけたらと思います。